短所をとっさに答えると墓穴を掘りやすい
かなり幅広い業界の、面接の定番で聞かれる質問の1つが「長所・短所を教えてください」です。「強み・弱み」という聞かれ方もします。
事前に準備していないと失敗しやすい質問でもあります。緊張した場面でとっさに答えると「何も思いつかない」か「いらんことを言ってしまう」のどちらかになりやすいからです。
面接は裁判ではないので、真実はいつも1つ!じゃなくていいのです。つまり、最大の長所、最大の短所を言おうとこだわらないでください。全てさらけ出す必要もありません。(長い話は嫌がられるという側面も)
例えばいくつかあるはずの自分の短所の中から「朝起きるのが苦手なのが短所」と答えたとします。遅刻しそう=社会人として失格と思われそうですよね。
自分を偽る必要はありませんし、でまかせを言うのは全くもって反則ですが、わざわざ不利になる回答をしない意識と準備は必要です。
短所を聞かれ「すぐに思いつきません」はアリか
もう1つ落とし穴になりやすいのが、短所を聞かれた際に回答が頭に浮かばずに「すぐに思いつきません」と答えてしまうのが一見セーフと思えることです。
非常にグレーゾーンなのですが、良い回答とは言えません。人事担当者によっては「短所は無い」と答えられたときと同じ感触を得ます。つまり、不利なことを隠す傾向があるかもしれないと思われるのです。
もちろん、不用意に強烈な弱みを暴露するよりはマシです。ですが「短所をすぐに思いつきません」は厳しい面接官であれば不採用にする理由の1つになりえますのでご注意ください。
長所の答え方の理想
アピールしたいと思うあまり、長所を思いつく限り言うのが、決して褒められたことではないのは誰もがご理解いただけることと思います。ではどう答えるとスマートなのか、以下例示です。
周りからは○○さんは○○だね、と褒めていただけることが有り難いことに度々ありましたので、そこが私の長所かなと思っています
以前の職場では○○を作って、同僚(お客様)から非常に喜んでいただいていました。私自身も得意と感じていますので、長所かなと思っています。
上記の例2つには共通点があります。自分以外の誰かからの評価として表現していることです。長所の答え方のポイントは「主張しすぎない」「第三者からの評価を表現する」この2つです。
長所が何も思いつかない場合
誰かから喜ばれたことも、褒められたことも思い出せない。仮にそれがあっても、長所とは思えない。この場合はどうすべきでしょうか。これは志望する業界によって変わります💡
「周囲からいつも優しいねと〜」「丁寧」「笑顔」「明るい」こういった福祉の心を感じさせるキーワードの中から、自分にしっくりくる表現を選ぶことをおすすめしています。少し自分自身への押し付けっぽく感じても、自信を持ってくださいませ。
業界・業務への適性を感じさせる長所を、自分の中から見出して、答えるようにしたほうが、人事担当者から評価されやすいです。
奇抜な長所はアリか
一方でよっぽど具体性があって、突き抜けた長所があり、たまたま人事担当者のツボにハマったときに、業界・業務に関係なさそうな長所が群を抜いて高く評価されることもあります。
ただしリスキーであることは間違いないので、長所を2つ説明するときの1つに奇抜な長所も入れる、というのが無難かもしれません。
短所の答え方の理想
すぐに思い出せないような短所を、ひねり出すようにして準備していても結局うまく答えられず失敗してしまう恐れがあります。
そこで、万人に自信をもってオススメできる2つのポイントがあります。
長所の裏返しとして短所を答えること
短所を説明したあとに改善の努力・方法も添えること
職場では周囲の皆様から『いつも明るく元気で、助かる』と割とよく言っていただけていましたので、明るく元気なのが長所かなと思っています。
短所は、悩みがなさそうに見えるみたいで、心配されにくいので、周りに頼るのに人一倍の努力が必要なことです。
なので、他の人よりも報連相(報告・連絡・相談)を心がけて、助けを求めやすいようにしています。
『長所の裏返しが短所』というのは『手が長いので高い所の物が取れるが、カッターシャツのサイズが合いにくい』のような長所と短所は背中合わせである、という考えです。
💡長所のトークさえ出来たら、背中合わせで短所を思い出しやすく、しかも短所が孤立しないので印象を控えめに感じさせやすいというメリットがあります。
短所はなるべくさりげないものにする
仮に「仕事が早いと周囲によく言っていただける」のが長所で、その裏返しを考えたときに
仕事が早いがゆえに、仕事が遅い人を置いてきぼりにする
仕事は早いが、人の気持ちが分からない
仕事が早い。遅い人を見るとイライラしてしまう
こんな裏返しの短所を考え出して説明してしまったら、長所すら台無しになりかねません。短所は「さりげないもの」を説明するのがベターです。
「逆に短所は、早く終わったらついつい新人さんの業務を手伝ってしまって成長の機会を奪ってしまっているかもしれないことです。なので、手伝うだけでなく、早く終えるにはどうしたらいいかを一緒に考えるように心がけています」
上記のように説明したら、好感を持たれる、長所のような短所になります。
長所のような短所の説明では、いかにも申し訳無さそうに説明するのが重要です。(あざとい、と感じさせないように…)
最後に
長所・短所の模範解答といえる方法論を説明してきましたが、いかがでしたか?
専門性を求められる職種においては、とりわけ長所の説明でアピールを充分に行う必要性が出てきて「主張しすぎない」こととの両立で一層悩ましくなる難問ではあります。
そんなときも含め、一人で悩まずに相談できる相手としても弊社は活躍したいと思っています。「求人の提案は不要だけれど相談したい」そういった御用も歓迎です。もし機会がございましたら以下からご用命ください。
サポートはいかなる場合も全て無料です。これは職業紹介事業の免許の法令で定められています。
以上、面接を楽チンにするシリーズ第二回「長所・短所の模範解答ならコレ」でした。
こんにちは!関西で職業紹介をして7年目、当コラム担当の中村です!
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