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1つの不採用と3つの内定。ケアマネ40代女性、Tさんの転職(前編)

夕日を前に、何かを諦めない姿の女性

こんにちは!関西で職業紹介をして7年目、当コラム担当の中村です!
(職業紹介事業許可: 28-ユ-301075)

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最初の内定で就活を終える率は…?

統計データによって違いはあれど、最初の内定をもらってすぐに転職活動(就活)を終えてしまう率は5割以上で、6割を超えると言われています。だからこそ企業側は、応募があったらいち早く連絡して、面接の日程を最速で調整し、良い人だと思ったらなる早で内定を伝えるべきと言われています。このことを意識していない企業は採用戦線で出遅れます。

しかし、それは企業側の話であり、求職者さん側にとってはできることなら複数の内定を吟味して最良の転職先を決められたらベストですよね。今回ご紹介する話は『1つの不採用と3つの内定。ケアマネ40代女性、Tさんの転職』です。ケアマネとして転職を検討されている求職者さんだけでなく、転職活動をする全ての方に『複数の面接を受けて、できれば複数の内定から将来を選択いただく意味や、その流れ』をイメージし、ご参考いただけますと幸いです。(3年以上前の事例となります)

ケアマネ40代女性、Tさんのご紹介

Tさんは本当にバイタリティーにあふれる方で、趣味の海釣りでは、船舶免許まで取ってしまったという本気度。

お子さんの教育のために、自然との触れ合いを考え、休日に一緒に山へ通い、山小屋を作ったエピソードまで。難しいことでないと、子供達にとっての大きな達成感や思い出にならないと思ったそうです。チェーンソーを使い大粒の汗を流す母親の姿を見たら、言葉にならないインパクトがありますね。

介護業界では通算15年以上キャリアを積まれ、最初は介護職としてスタートし、後半がケアマネあるいは生活相談員と施設責任者としてのご経歴でした。

失敗とターニングポイント

これは私の失敗なのですが、Tさんに最初、とあるサ高住のケアマネの求人をご案内し、面接の結果これが完全にミスマッチでした。面接で先方の事務長さんが「大雨や雪で道が閉鎖されると通えない」とアクセス面を懸念され、ミスマッチの結論になりました。

通勤距離で不採用というのは、私が懸念点としてもっと丁寧に確認さえ出来ていれば、面接でお会いいただく前にご判断いただけるものなので、防ぐべき「そもそも論」です。私の確認が甘かったとしか言いようがありません。双方に陳謝するほかありませんでした。

しかし、このときTさんの気丈さに励まされつつ、このミスマッチが幸いなことにターニングポイントにもなりました。面接に同席できたことで、さらに個性や、人生、お仕事されていた内容の詳細を知れて、キャリアシート(転職エージェントが作る、求職者提案のPRシートのようなもの)を魅力的に作り直すことができ「ぜひ面接したい」という施設を一気に増やすことができたのです。もしかすると『趣味で山小屋を作ったバイタリティー』というワードが効いたのかもしれません。

作り直ししたキャリアシートをFAXで多くの施設に送り、8件もの新たな面接希望の求人施設さんが現れ、以下に紹介する3つの面接先から、Tさんは転職先をお決めになります。

三者三様の新たな面接先

以下の3つの中に、Tさんが選んだ運命の職場があります。

女帝?のいる法人のケアプランセンター
派遣依存から脱却したいグループホーム
レインボーブリッジを封鎖しそうな医療法人の居宅ケアマネ

全ての面接に同席しましたが、いずれも魅力ある求人施設さんでした。興味深かった要素をなるべく鮮明に、でも簡潔に、ご紹介していきます。

女帝?のいる法人のケアプランセンター

ここ「女帝?のいる法人のケアプランセンター」は施設名の末尾に『苑』と付く、複数の施設を持つ大きな法人が新設した特養の中にあるケアプランセンター(居宅介護支援事業所)でした。この法人は各施設に施設長という形でボスがいるのですが、さらにその多くの施設を統べる『総苑長』という肩書のBIGボスがいます。

法人には理事長がいますが、理事長は現場のことにはタッチしないことが多いので、ここでは総苑長が最高司令官です。女帝、と同僚から(冗談めかして)聞いていましたから、私も心の中で帯をキツく締めて会いにいきました。

ところが、お会いしてみると心に爽やかな風が吹きました。威厳はあれど威圧感のない、大変素晴らしい淑女でいらしたのです。面接ではTさんの職歴を丁寧に確認していただきながら、そのお声の落ち着きと穏やかさでTさんも私も、すっかり総苑長の魅力に引き込まれている感触がしました。

2都道府県合わせて250名の職員を統べる人物です。仕事や人に妥協しない厳しい部分も当然あるはずで、目から時折、人を射抜くような鋭い眼光を感じられたのは、錯覚ではないはずです。Kさんがそのお眼鏡にかなったのか、総苑長は働く上での要点を詳しく説明してくださいました。

ケアプランセンターでは現在、男性3名でベテラン2名とケアマネ2年目の人1人。ケアマネと相談員の兼務ありうる(配属先によって)。担当エリアが○○(地名。Kさんの住む地元)もありうる。相談員会議は月1回。2ヶ月に1回は困難ケースの検討会をコロナになる前まではやっていた。1年に1回、ホテルを使って研究発表会+会食。2年に1回、職員旅行(1人ずつ3万円を法人が出す)。Kさんの職歴だとおそらく給料は税引き後の手取りで20万円ほどになるetc.

さらに分かったのは、総苑長が元々、同法人でケアマネをされていたご経歴ということです。これは非常に大きなポイントでした。現場のトップが、元々現場をやっていたというのは、介護施設にとって非常に大きなアドバンテージです。介護現場の喜びも苦しみも知っている人が組織のトップにいると、現場の声が集まりやすく、また通りやすく、変化への適応や改善がスムーズだからです。しかもKさんにとっては同じケアマネということで、ぐっと安心感が高まる印象を受けました。

ここまでが前編です。後編では残り2つの面接先を紹介しつつ、Kさんが選んだ結末についてお伝えしてまいります。