子供のおむつ交換は得意でしたか?
男性の20代から60代まで、年齢を問わず介護業界・介護業務に初めて挑戦しようとされている方が増えています。親の介護を自分の手でしっかりご経験されている場合を除き、皆さん全くの未経験からトライしようとしてくださっていて、担い手不足の介護業界にとってはありがたい話です。
しかし、やってみたけど合わず、早期に辞めてしまった話も多く…。例えば子供のおむつ交換をやったことがある場合は話が早いです。得意、苦手、どちらでしたか?もし得意だったのなら、素晴らしく適性が高いかもしれません。逆にすごく苦手だったのなら、慎重に考えたほうがいいかもしれません。
もちろん、おむつ交換自体をやったことがない方もいらっしゃるでしょうし、他にも事前に大丈夫そうかお聞きしておきたい「未経験男性の早期離職になりやすいポイント」があります。この確認は鉄則と言えるくらい、大事な確認事項ばかりなので、介護業界へのトライを検討されている場合はぜひご一読ください。
一覧をまずご覧ください
以下は、介護業務にトライした「未経験男性の早期離職になりやすいポイント」一覧です。全体を見て大まかにイメージしていただいた上で、その後1つずつご説明したいと思います。
①匂いが合わず…
②腰を痛めてしまい…
③年下の先輩を立てられず…
④女性主体の職場に順応できない
⑤スピード感についていけない
⑥夜勤で体調を崩す
⑦同性介助を希望され居づらくなる
⑧給与が思った以上に伸びず…
⑨喫煙不可の施設が増えて業界を諦める
いかがでしょうか。男性の挑戦者が、継続を断念するよくあるケースはこの9つです。①から⑨まで順に、すぐ辞める理由になりがちなケースから始まり、数ヶ月、半年、1年と、しばらくしてから辞めるケースへと並べてあります。例外として⑨については、即断念したり、他の介護施設へ転職して続けるケースなど様々です。
①〜⑨をお読みいただき、明らかに合わない可能性が高いなら、別の道をご検討されたほうが、その男性の働く人生にとって良いはずです。そして介護施設で新人教育を任される現場スタッフにとっても、頑張って教えた時間を返してほしい、とならずに済むかもしれません。
①匂いが合わず…
おむつ交換時、そしてお部屋では、どれだけ換気していてもおトイレの匂いがしてしまいかねません。館内については施設の換気システム次第ですが、個別のシーンでは密接に介助しますので、慣れることができるかどうかで、合わない場合は1週間でリタイアされる方もいらっしゃいます。
女性の場合は耐えられる人が多く、男性の場合は耐えられない人がそこそこいらっしゃいます。忍耐力や優しさうんぬんでなく、長く過ごしても体が慣れず、次第に吐き気がしてしまい、どうにもならなくなるケースです。人一倍、神経質な体質というような場合、就職する前に終日の職場体験などをお勧めします。
余談:現在はコロナで施設スタッフさん全員がマスクをしていますが、コロナが解消された際に、従来通りマスクをしない体制に戻す施設さんが出てくるはずです。従来は、マスク無し方針の施設さんが多数派でした。表情のコミュニケーションもケアの一部になりうるという考え方があるからと思われます。
余談2:一方、インフルエンザなどの感染対策の観点から、従来からマスク有りの方針の施設さんもあり、感染対策も重要なのでマスク有りも、マスク無しも、それぞれが正しい方針と言えます。
②腰を痛めてしまい…
背が高い場合は、特に腰を痛めやすいです。ベッドから車椅子に、車椅子からお風呂場のリフト座面へ、様々な場面で背を曲げて行う介助業務があります。背が低い場合よりも、背が高い場合の方がより腰に負担がかかるので、早く腰を痛めやすいのです。
もちろん、介護の技術が高ければ腰への負担がかかりにくい動作は可能で、事前に正しい教育を受けられれば、背が高くても腰を痛めにくいです。背が高くても長く続けている介護職のかたは多くいらっしゃいます。その意味で、就職した先の施設さんに、新人教育へ割く現場の余裕がどれくらいあるか次第とも言えます。
新人教育の体制について質問しても、それが充分なのか判断が難しいのでスッキリしないはずです。しかし!「私と同年代くらいの男性で、未経験で入社した方はいますか?」と聞き、さらに「今どれくらいの期間、続けていらっしゃいますか?」と聞ければ、何か良い判断材料が得られるかもしれません。(暗い感じの質問にならないようにご留意くださいませ)
③年下の先輩を立てられず…
新卒で入社する場合を除き、転職で就職したら教育役やリーダーが年下の職員さんという場合は多く発生します。敬語で、きちんと教えを乞う立場をわきまえていられるか、かなり重要な要素です。仮にちょっと違うと思っても、逆らわず従えるかどうか。。
一回りも二回りも年下の先輩から、時に頭ごなしに何か言われても、素直に「はい」と言えるか。これはすんなり出来る人と、どうしても抵抗がある人で大きく分かれるはずです。その先輩が好きになれるかどうか、人と人の間の相性も関係するのでどんな先輩に巡り会うかという運にも左右されますが、ぜひ一度ご自身の胸の内をご確認ください。
④女性主体の職場に順応できない
介護業界は女性主体です。施設長は男性、という場合はあるものの、女性が主役の施設さんがほとんどです。なぜなら、入居者さんの8割以上が女性であり、これは女性の平均寿命が長いからです。そしてお風呂介助や、排泄介助にて「男性からの介助は避けたい、女性の介助を受けたい」という、同性介助を求めるお声があるからです。羞恥心を否定することはできません。
入居者さん全員が同性介助の強い希望を持っているわけでないものの、一部はそうであるために、男性の介護職だと業務がスムーズにいかない場合があるのです。なので女性を主役に位置づけるのは介護施設の宿命ともいえます。これは男女平等とかジェンダーとかの概念では割り切れないことかもしれません。
女性に畏敬の念を持って、女性中心に仕事をとらえ、振る舞えるかどうか。これができないと浮いてしまい、チームワークを発揮できず、最終的に退職してしまう可能性が出てきます。
⑤スピード感についていけない
介護施設では、数十人から100人を超える入居者さんを、決して多いと言えない職員でサポートしています。午前中に数十人の入浴介助を済ませる、というような時間に追われることを、日々めまぐるしく行っています。
介護業務が一部、家事に近いこともあるからか、人によりますが比較的、女性の方が介護未経験でも順応しやすく、男性の方が介護未経験だと順応に時間がかかる場合があります。(介護職が料理をするのは基本的にグループホームという施設形態だけですが、料理を苦手とする男性が多いのは分かりやすい例だと思います。)
そのせいか、介護施設の業務のスピード感についていけず、退職されてしまうケースがあります。男女ともにありますが、男性の方がややありがちに思います。
ここまでが前編です
後編でも重要なポイントを説明して参ります。以下4つですが、特に⑥の夜勤については非常に重要なので、ぜひご一読くださいませ。
⑥夜勤で体調を崩す
⑦同性介助を希望され居づらくなる
⑧給与が思った以上に伸びず…
⑨喫煙不可の施設が増えて業界を諦める
なお、転職支援のご相談については以下からお願いします。
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