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年収が2倍になった生活相談員Kさんの転職

デスクでパソコン作業をしている男性。テロップには「5年で2倍」の文字。

こんにちは!関西で職業紹介をして7年目、当コラム担当の中村です!
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Kさんの成功の鍵

介護業界で年収が700〜900万円を超えるケースがあるというのは、あまり知られていないことです。全国展開するような、中規模以上の会社の部長クラスの待遇。社長やビジネスオーナーなどを除き、会社勤めをする庶民感覚からすれば、簡単に手が届かない、うらやましく思う収入です。それを、なんと30代の後半で実現している実例がKさん

今回のテーマは、生活相談員として400万前後だった年収が、転職後5年で副施設長になり、年収が2倍になったKさんの『転職の成功実例』を分析することで、介護業界を目指す人が増えることを願うものです。

重要なポイント(成功の鍵)は以下4つです。
・新卒から15年、1つの施設でやり通した上での転職
・面接1件目での撃沈
・入社後、施設の立て直しに貢献した功績でご昇進
・同族経営じゃない

以下に1つずつ説明して参ります。

新卒から15年、1つの施設で

専門学校を卒業され、新卒から15年、1つの同じ法人でやり通してきたご実績と、その見識が今回のご成功の全ての土台になっています。介護職として現場のリーダーなどまでご経験された上で、直近(転職前の当時)では生活相談員として活躍されていました。

Kさんは今も昔も非常に仕事へのモチベーションが高くて、生活相談員の業務をただ行うだけでなく、ユニークな工夫を当時からされていました。専門学校の臨時講師として授業をする中で卒業生が自施設に来てくれるように尽力されたり、個性の光るケアマネさんと積極的にコミュニケーションを取り、施設の稼働率(入居率)を常に高く維持できるようにされたり、そういった一捻りある工夫です。

個性のはっきりしたケアマネさんのほうが、他の施設がアプローチしにくい(認めてもらうのが簡単ではない)ので、努力してそのケアマネさんに認めてもらうことさえできれば、優先的に入居希望者を斡旋してもらいやすいことを発見し、注力されてきたそうです。

面接1件目での撃沈

Kさんの転職をサポートした際、Kさんが通勤で通える範囲内に生活相談員の求人は少なく、2ヶ所のみのご案内となりました。しかもそのうち1つは、たまたま閃いて結びつけられた、JRの新快速でかなりの距離を走ったあとに、普通は思いつかない線への乗り換えでギリギリセーフの距離にある施設の求人でした。

Kさんは介護業界の転職市場で、普通に考えたらスター人材です。なので面接1件目が撃沈するなんて、Kさんも私も全く思っていませんでした。選考に落ちたとかではなく、大船に乗ったつもりで行ったら大砲を受けて沈没してしまったような形です。(詳細は後述します)何をここでは言いたいかというと、面接では何が起こるかわからない、特に面接慣れしていない1回目は、アクシデントが起こるかもしれないと覚悟して皆様、転職活動してくださいね、ということです。

まずKさんがスター人材である理由を説明します。まず当時30代とお若いです。介護福祉士の資格もお持ちです。介護現場に入ってヘルプも全然前向きになさるし、夜勤もOK。生活相談員のポジションを希望されている限定要素はありますが、生活相談員としても現職できっちり経験を積んでいる経験者です。そして新卒から15年、一途に1箇所の法人で勤務されてきた職歴の美しさです。主に特養で重度の介護に関わってきました。さらに!性格は明るく、真面目で仕事へのモチベーションも高いという…もう傑出した人材だったわけです。

ただし、生活相談員というポジションは、通常は施設の中の介護現場も経験して入居者さん1人1人への理解の深い人材が就くのがベターですし、さらに入居者さん100人につき1人の配置基準がありますので、空席になることはまず無く求人募集自体がレアなのは間違いないです。いくらKさんがスター人材でも、生活相談員の募集ニーズがない施設さんが手を挙げることはない。そのマッチングの難しさはありました。

転んでもタダでは起きぬ…?

1件目の撃沈した面接先はケアハウス。ちなみに2件目の面接先は特養でした。5年前の、8月末の暑い日です。最初の面接の同行は土曜日。車を降りると容赦ない日照りで、Kさんも私も、施設の広大な敷地の中の駐車場からケアハウスまで歩く間に汗だくでした。スーツの上着はとても着ていられない酷暑…。

面接官である施設長さんは、様々な本音トークをしてくださいました。40代前半くらいの男性です。(以下は一部)

「逃げ隠れできない世界でのストレス耐性が求められます。6人の従業員。そして自立の入居者さんから、常に見られているようにも感じられる環境です。その点で、自立のかたが少ない特養とは大きく違うので、戸惑うかもしれませんよ。

あと、スタッフはみんな良い人になろうとしてしまう。それではケアハウスはまわせません。入居者さんに規律を守ってもらう必要がある。しかも、自立の入居者さんばかりなので直接介護がない分、異変をどう見極めるか、ということです。歩き方がおかしい。脳梗塞ではないか、そういう感度です。傾聴は何の役にも立たない…かもしれません」

重介護への深い理解と対応力がKさんの強みでしたので、直接介護がないと宣言される面接は、なかなかインパクトが強く、面接後のKさんが「自信がなくなりました…」と撃沈状態。面接の結果を企業さんに聞くまでもなく、Kさんからのご辞退を報告する形に終わりました。結果だけ見ると双方に申し訳ないものでしたが、少々言いづらいことながら良かった点もあります。

独特の緊張感を経験できたというKさんの面接への慣れです。1件目の面接でガツンと衝撃を受けたので、2件目までの数日の間にかなりシュミレーションできた、ともKさんはおっしゃっていました。それがまず良かった点1つ目です。次に素晴らしいご経歴と経験値をお持ちであるがゆえの気負いが、1件目の面接で鼻っ柱を折られるかのような形でリセットされ、元から謙虚なお人柄ではありましたが、さらに謙虚さが引き出されたのも良かった点かと感じました。

謙虚になり後ろに下がれば下がるほど、助走を長くできて高く跳べる、ということなのかもしれません。この意味で、面接2件目が運命の転職先になった成功の鍵の1つに、面接1件目の撃沈を加えていいと考察しています。

入社後、施設の立て直しに貢献した功績でご昇進

生活相談員として入社され、何の功績もなく5年で副施設長。そんな棚ぼたみたいな話はありえません。ご入社されたときに法人はかなりビッグな負債。それが5年後の今や完全な黒字経営。そこに貢献されたご活躍があったからこそ、ご昇進されたのです。

では、どんなご活躍を、なぜできたのか。まず施設経営において、収支にダイレクトに影響するのは入居の稼働率と、介護職の充足率です。利用者さんが満杯で、それを支える介護職が必要なだけ居たら、収支はどんどん黒字化します。特にショートステイ、特養の中で入居者の出入りがある部門の生活相談員業務を担い、前職で培ったケアマネさんとのネットワークと意思疎通のノウハウを活かして、稼働率をかなり改善されたと聞きました。そして介護職を増やす点についても、前職で築いた人脈を活かして人を増やし、さらに専門学校への出前授業をきっかけに卒業生が社員になってくれて、介護職の充足率に貢献されたと聞きました。

施設経営と収支の黒字化において非常に重要な『ヒト』の要素を、前職の15年のキャリアの中で見事に磨いていらっしゃったからこそ、転職後の大活躍が実現されたわけです。もちろん、普段のお仕事における真摯で、ストイックな姿勢があり、周囲から信頼を得ていらっしゃるからこそではあります。副施設長に昇進されたことに、周囲も納得の上、みなさんお喜びになったことが容易に想像できました。

同族経営じゃない

介護業界に限ったことではありませんが、会社の上層部が一族で埋め尽くされているというような企業さんがございます。埋め尽くされているほどでなくとも、実力や実績、年功序列などを半ば無視して、経営者の一族が経営陣に多く入っている会社を同族経営と呼ぶことがあり、実力や成果があっても昇進しづらい組織、不平等な組織として苦手に思う人もいます。

Kさんが転職して成功された現職は、同族経営ではない点も見逃せません。成果が正しく認められ、入社5年にして副施設長という躍進が実現した一要素として考察できます。これがもし同族経営の企業だったなら、なぜか成果が一族の誰かのものになり、その一族の誰かだけが昇進する、なんてことが…低い確率だとは思いますが起きていたかもしれません。

(ただし、同族経営にも度合いがあり、弊害がほとんど起きていない、抜群にうまく運営されている同族経営も多くあるようですので、必ずしも同族経営が悪いわけではありません。そして同族経営の要素はどこの会社にもありうる話です。)

おわりに

Kさんに最近お話を聞いた際「Kさんの成功されたエピソードは、介護業界を目指す人にとって希望になるので、これまでの経緯も含めたお仕事の風景などを動画で公開すると非常に価値がありそう」というような話をしたところ、「めちゃくちゃストイックに仕事しているので、見た人は逆に引いちゃうかも…」とおっしゃったのが印象的でした。

Kさんのようにモチベーションの高い人が、介護業界で1人でも多く成功され、責任ある立場に就いて業界をリードしていけば、担い手不足といわれる介護業界も何か突破口を見つけて盛り上がっていくかもしれません。Kさんの成功事例の分析とご共有が、どなたかのきっかけになることを願っています

また、当記事では成功の鍵は4つと紹介しましたが、成功する転職のカタチは千差万別です。そして経験上、価値ある求人WEB上に無いだけでなくまだ誰にも知られていないことが多いです。もし転職が必要な何かご事情がおありの場合は、ぜひお話をお聞かせください。そのお話が、あなたのためだけの価値ある求人を発掘する鍵になります。

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